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2019-08

ぼんやりとゆらぎながらつながる、とか。 - 2014.06.27 Fri

ぼんやりとゆらぎながらつながる、とか。


障子の紙には光を和らげて拡散させる働きと断熱の効果があるのですが、
最近はアルミサッシもほとんどがペアガラスですので、いわゆる「内障子」と言われるような
サッシの内側にはめる「紙貼り障子」は断熱ウンヌンはどうでもいい感じ…。

でも「光を和らげて拡散させる」という障子の持ち味は、
「ぼんやり感」という日本人の好きな感覚によく合っていると思うのです。


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一見洋風なフローリングのリビングですが、床材が「杉」ということもあって障子がとてもよく合います。
そして逆光によって出る障子の「桟(組子)」のシルエットも程よい閉塞感を作りだす効果がある、のかな。
これ、桟が無かったらちょっとなんか落ち着かないと思います、きっと。


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タモの練付合板はオイル仕上げでほとんど着色をしていない自然な仕上げ。
これも枠周りや化粧梁など無垢の木をふんだんに使われた室内の意匠にとても合います。


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和室には「坊主襖」と呼ばれる「縁」の無い襖を採用されました。
元々は茶室に使われるようなこの「坊主襖」。
今回はお家に合わせて2mを超える大きなものでしたので、下地材などに工夫をして反りにくいものに。
引き手はシンプルなシルバーの、しかも標準的な襖の引き手より一回り小さいもので。
これが落ち着いた鳥の子和紙の色目ととても合うんですね。


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引戸には引き手を入れず手掛りになる溝を彫り込み加工しています。
タモ板目の練付合板も美しい。ぼんやり感とゆらぎ感が落ち着きを演出してくれます。


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一方二階はシナ合板でシンプルに。
部屋と部屋の間にある吹き抜けに面した壁には小窓が。
こういう工夫が「家」をひとつのやさしい空間にするんだろうな…。流石です。

余計な装飾は一切無しで、シンプルに木をたくさん取り入れられたやさしい家。
素材の持つ色や質感をそのまんまデザインにして「まとめる」という難しいワザ。
大変勉強になりました。


弊社施工:木製建具工事

設計:前谷建築事務所 様



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いろんな光を受ける家、放つ家。 - 2014.06.27 Fri

いろんな光を受ける家、放つ家。


コンクリート、タイル、硝子、そして木。

面を構成するすべての素材、質感が全く異なるのに、
それが一つになるととても美しい空間になる。

ナラ材の練付合板の、しかもかなり大きめな上吊タイプの引戸なのに、
全くの圧迫感もなくこの空間に馴染んでいます。

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ほとんどの部屋はこのナラ材の練付合板を使った扉で統一。
一部の框戸(枠組みされた硝子の入った建具)にはナラの無垢材を使っています。
ナラという木は木目が美しく堅い木なのですが、それゆえにクセの強い木でもあります。
ある程度の太さがあればそうでもないのですが、細く挽くとグニャ~と自由奔放に曲がってくれるんですね…。
建具材にどの程度適してくれているか。見極めの難しいところです。

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タイルの白にナチュラルな薄めの色付けをされたナラ材がとてもよく合う。
今回は木目もあっさりとした「柾目」を使わず、あえて表情のくっきりとした「板目」を選択されました。
この辺りは建築家さんのこだわり。突板(練付合板)の製作者さんと選び抜かれた木目です。


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フロストガラス(スリガラスのような曇りガラス)入りの框戸も、
相当な重量になっているのですが、上吊式なので開閉はスムーズ。
二本のレールを3枚の種類の違う引戸が可動するという、
実はちょっとややこしい納まりだったところ…。


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落ち着く広さの和室には太鼓貼りの障子(桟の両面に紙を張った障子)と、
地袋収納には和紙貼りのちいさな開き戸が取り付けられています。
窓サッシの上げ下げ窓に合わせて、通風できるように細工された「上げ下げ障子」。
組子(格子)部分だけが可動する「雪見障子」と違って、
障子ごと上げ下げできるこの障子。これにはちょっと苦戦しましたが…。

連日夜中までコソコソバタバタ作業をしながらも、
無事に、綺麗に、カッコよく納まってくれると、
これはもう素直にうれしいわけなんですね。




弊社施工:木製建具工事

設計:Y's design建築設計室 様





「吹き抜け」は憧れでもある… - 2014.01.31 Fri


~宝塚市 T邸~

アガチスという木はそれほど木目のはっきりした木ではありませんが、
何と言っても色合いがとてもいいのです。

そのアガチスの無垢材を貼った大きくて丈夫な玄関ドア。
大工さん手作りの郵便ポスト、天井(軒)、これは経年変化がとても楽しみな玄関。

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室内はお手入れを考えた木目調の「シート合板」のフラッシュドア。
引き手部分の特別な加工や、お洒落なレバーハンドルの採用で、
シンプルながらも他にはない仕上りに。

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そしてリビングを仕切るドアは壁と一体に。

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家具や建物とのちょっと複雑な取り合いもありながら、
全体ではとても暮らしやすそうな暖かい住宅。

写真には写っていませんが、家の中心の広いリビングは開放的な吹き抜け空間。
これはちょっと、憧れですね。



弊社施工:木製建具工事

設計:設計組織DNA 様



木と、土と、紙と。 - 2014.01.31 Fri


~河内長野市 O邸~

最近では少なくなった引違の玄関建具。

杉材を使った縦格子のシンプルなデザインは純和風ではない建物の外観にでも
とても自然に溶け込んでいます。

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室内の建具たちはシナ合板のフラッシュドア。
引き手ではなく戸先に溝加工をした「スプルース」という種類の無垢材を貼り付けて
引き手の代わりにしています。

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床材も天井も自然な木の風合いを魅せる設計。
そんな中でシナの優しい木目がよく合います。


和室は同じく杉の障子。
少し大きめなマスのスッキリしたデザイン。
「タフトップ」という強化障子紙で普通の障子紙よりも「タフ」。
しかし素材はビニール系ではなく紙なので、通常の障子用の糊で貼ることが出来ます。
なので黄ばんだり、破れたりしても張り替え可能。
樹脂系の接着剤を使わないので、張り替え時に「桟(組)ごと剥がれる」なんてこともありません。

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収納部分と仏間(お仏壇を入れるスペース)は坊主襖風の「戸襖」。
扉のぐるりを和紙で巻いて化粧してあります。

一見どうなっているのか分かりにくいですが、
左の二枚は「両開き」、右の二枚は「垂直収納」(開いてから中にスルスルっと仕舞込めるもの)です。


壁の左官と相まって、素朴な風合いの空間ですが、
障子から差し込む柔らかい光と畳のみどり。
なんとも落ち着けるいい場所なのです。



弊社工事:木製建具工事

設計:一級建築士事務所 ネオジオ 様


最上階という贅沢、こだわるという、贅沢。 - 2013.07.22 Mon

~河内長野市 F様邸~


マンションの最上階という羨ましい条件を活かしたリノベーション。
そう広くは無いのですが、こだわりが詰まった贅沢な空間。

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ウォークインクローゼットには大きな壁面収納(他社家具工事)が一面に。
とにかくいろんなものが収納できます。
奥のスリムな上吊ドアはメープルの突板仕上げ。
金物の「引き手」ではなく、手をかけるための溝を掘った木材を戸先にくっつけてある、という仕掛け。


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リビングダイニングから繋がる和室スペース。
間接照明を仕込んだ吊収納には、
桧の突き板仕上げの3枚開き(両開き+片開き)建具を。

メープルも桧もほとんど着色のないクリアなウレタン塗装が施されていて、
上品な艶があって穏やかでいい雰囲気なのです。


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廊下の奥には石タイル張りのディスプレイスペース。
漆喰塗の壁、ごつごつした石タイル、メープルの突き板。
全く違う素材が一角に集まっているのに、
なぜか取り合いがとても自然に馴染んで見えます。


そしてこの壁面が、、、

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開閉するのです。

相当な重量のこのトビラ。
フロアヒンジという金物を床面に埋め込み、
そこを軸に驚くほど軽やかに回転しながら開きます。

大工さん、タイル屋さん、漆喰(左官)屋さん、
みんながみんな、なかなか大変だったポイントですが、
実際はあんまり開閉されないところなので、それはちょっとさみしいような…。

ベランダからは富田林・PLの塔が見えます。
そう、八月の花火大会にはベランダのデッキから、花火が一望。

内装も、眺めも、すべて贅沢なお二人の空間。
うらやましいなあ。




弊社施工:木製建具工事

設計:クル 一級建築士事務所 様





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プロフィール

ふくしまはるひこ

Author:ふくしまはるひこ
【有限会社 福嶋建具店】
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木製建具工事を中心に、
家具工事・パーティション等の
設計/製作/施工をしています。

建具ってなに?という方も多いでしょう。
建具(たてぐ)とはドアや障子・襖など、
空間を仕切るものの総称です。

日常の業務の中で思ったこと、
感じたことやこんなものを作っています!
という紹介などが
できればいいなと思っています。
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設計・施工・ブログ・・・
その他なんでもあれこれ
担当:ふくしまはるひこ

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